書籍「アジャイルコーチの道具箱 – 見える化実例集」を読んだ

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アジャイルコーチの道具箱 – 見える化実例集 Jimmy Janlén 著 et al. [Leanpub PDF/iPad/Kindle]

@kawaguti さんからご紹介いただきまして、こちらの本を読みました。感想を書きます!

内容紹介

書籍の中の「ようこそ」(P.3)が明快なのでそのまま紹介します。

この本は、チームの協調とコミュニケーションを改善したり、行 動を変えるための見える化の実例でいっぱいだ。アジャイルソフ トウェア開発を行っているチームのために書かれている。

含まれるのは、あくまでも例にすぎない。それ以上でもそれ以下 でもない。理論に基づく深い説明はない。アジャイルやスクラム の説明もしない。ゲーミフィケーションについての参照もない。 脳が見える化をどう解釈し、見える化によって行動がどう変わる かについての議論もない。そのような情報が必要なら、ほかの本 をあたってほしい。

あとはもう、ごく少数の例外を除いて基本的には「1ページにひとつ」のペースでいろんな道具が紹介されています。

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ページの構成にはちゃんとパターンがあって、その道具の「名前」「イメージ図」「2〜3段落程度の簡易な説明」が記載されています。イメージ図がとてもよくできていて、おかげで短い説明文でも各道具のよさそうな感じが伝わってきます。

ざざざーっと目を通してみてもいいし、気になる名前の道具があったらそこだけ見てみてもいいし、読みやすい構成なので「自分が関わっているプロジェクト、もうちょっといい感じにしたいな〜」と感じている人にはとてもおすすめしやすいです。ぼくの身近なところだと @hogemoge さんはこういうの好きそう。

ぼくが好きなやつ・気になったやつのメモ

  • ポリシーを見える化しよう (P.10)
    • 箇条書きの点だけを書いておくことで「カジュアルに足されるものだ」と示すの、いい
  • ポータブルボード (P.47)
    • 弊社、今のオフィスを引っ越してきて、ホワイトボードがポータブルになったのでうれしい、価値を実感している
  • 今日のすごい人さいころ (P.51)
    • やる理由が「楽しいから」なのがいい
  • 砂時計型スクラムボード (P.88)
    • 着手中のタスクの上限を2つまでにする、という制約を課すために砂時計型のフレームを用意しているのがかわいくて好き

全体的に「人の感情」に着目しているツールは好きです。「アバター」「自信のニコニコマーク」「帽子つきメンバーカタログ」「遅刻はケーキ」「チームのムードメーター」「失敗ボード」「私の学びたいこと」あたりがそうですね。

読みながら、これまでに関わってきたいくつものプロジェクトを思い出しては「あのプロジェクトでは、これを使っていたっけなあ」「あのプロジェクトリーダーは、これ系の道具が好きだったね」なんてことを思い、懐しい気持ちになったりもしました。

ぼくは原著の方には目を通していないわけですが、これだけスラスラと読めたということは、各道具名の日本語訳がいい感じに仕上がっているということだと思います。邦訳されたみなさんが素晴らしいなぁと思います。興味ある方、ぜひ手に取ってみてください。

アジャイルコーチの道具箱 – 見える化実例集 Jimmy Janlén 著 et al. [Leanpub PDF/iPad/Kindle]