言語とニュアンス

日本語を勉強中の外国人女性が、幼少期のエピソードを紹介するときに「子どものとき、ずっと男と遊んでいて」と話しはじめたら、講師の女性が「男の子、ね」と即座に訂正案を示した。講師の女性は、そうだな、その外国人女性のお母さん、という感じの年齢層だったと思う。外国人女性は、すぐさま「ずっと男の子と遊んでいて」と、修正した上でスピーチを続けた。

たしかに、日本語には「男遊び」という言葉があるので、ぼくからみても「男と遊ぶ」という表現にはちょっとした艶っぽいニュアンスが含まれている気はするし、その外国人女性がそういったニュアンスのお話をしたかったのではなく、単に「女友達よりも男友達といっしょに遊ぶことが多かった」というお話をしたいという雰囲気は伝わってきていたので、講師の女性が示した訂正案には納得するところだ。お母さんが娘を叱る感じに見えなくもなかったけれど。

しかし、あの外国人女性は、そのニュアンスまで含めて感じ取ることはできたのかなあ。言語に特有のニュアンスって、なかなかむつかしいですよね。説明されたからといってその場ですぐにわかるものでもなさそうだし。どうか、あの外国人女性が、しっかりじっくりと日本語と慣れ親しんでいけますように。日本で男遊びしませんように。