地域の色をたのしむ

先日の、恋人と一緒に北海道を旅行したときのお話。

恋人は、北海道に訪れるのは今回が初めてということで、北海道の方言をテーマにしたクイズをいくつか出題してみたり、北海道に特有の文化なんかについて話したりと、題するならば「試される大地サイバルガイド」だろうか、事前にレクチャーする時間を持っておいたのだった。レクチャーといっても、そんな大層なものでもなくて、よくある「北海道あるある」みたいなノリのお話をしただけだ。

そいで、ぼくの実家に着いて、うちの家族と話してみたら、やっぱり出てくる北海道の方言。事前に説明しておいてよかったよ。

「家の中、だいぶ物が減ったね」「うん、だいぶ投げたからね〜」って、やっぱり投げちゃったかぁ。母親は遠慮なくゴミを投げる感じだった。念のため捕捉しておくと、不法投棄ではない。上の弟ちゃんは上の弟ちゃんで、こちらもやっぱり、押ささっちゃったり書かさっちゃったり、ぼくはぜんぜん言わない「なまら」を連呼したりと、見事な方言演舞だったと思う。下の弟ちゃんは、照れてしまっていたのか、あんまり会話に入ってこないでパズドラ音を居間に響かせていたのだけれど、どうやら「手袋を履く」ってのは北国に独特の表現だってことは、知っているようだった。あと、食事のあとで食器を片付けようとしてくれた恋人に、北海道の「うるかす」を実践してもらえた瞬間には、グッとくるものがあった。

ひとりで実家に帰っても、これらの事象を何も感じることなく受け止めてしまっていただろうから、やっぱり愛すべき差分ってのはあるんだろうな。おかげで気付く、愛しいものたち。

滞在中、お寿司をたらふく食べて、花咲蟹の鉄砲汁とサーモンのあら汁をすすって、えびそばを食べて、カツゲンとガラナとリボンナポリンと「い・ろ・は・す」のハスカップ味を飲んで、味覚でも北海道をたのしんだ。ホテルの朝食にすら、いかソーメンやスープカレーがあったりして、1日3食、お腹に入るだけ食べたくなるほど、北海道はおいしかった。

札幌のみんなとごはんを食べたお店のメニューには「クーニャン」があった。これも北海道っぽい。東北では「レゲエパンチ」って呼ぶやつね。いちばん説明的に呼ぶと「ピーチウーロン」になる。

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これはポプラ並木の足元の写真。ぼくの好きな場所のひとつ。

こうしてみると、けっこうベタに北海道っぽさをたのしめた旅行だったと思う。といっても、今回はほとんど札幌から出ていないからね、今度は、札幌以外のところにも足を運べるといいね。他にも、たのしめる場所が、まだまだ、まだまだ、ある。