どうか、お大事に。

「こないだ、2階の窓から飛び降りたら怪我しちゃってさー」

もし、お友達からそんなお話を聞かされたら、ぼくはあわあわしてしまうだろう。どうして、そんなことをしたのかな。怪我、痛そうだな。もう二度と、同じような怪我をしないでほしいな。

ぼくの場合、人生という単位で向き合って接することができる相手、一度にひとりだと思う。飛び降りて怪我をするたびに「よしよし」って言える相手は、そう多くないことだろう。だとしても、お友達が怪我をしてしまうのはやっぱり悲しいから、怪我につながるような行為は避けてくださいって、静かにお願いするしかない。

これはたぶん、ぼくのワガママだ。押し付けそうになるときもある。無意味に怪我をしてほしくない。自主的に怪我をしたと知らされたときに、できることもあんまりない。

どうか、心も体も、お大事に。誰よりもあなた自身が、あなたのことを大事にしてほしい。

あなたのその行為は、自らの尊厳を傷つけてしまわないでしょうか。あなたのその行動は、後悔の跡を残してしまわないでしょうか。少し想像するだけで防ぐことのできる怪我なら、その行為をやめて、防いでほしい。自らを傷付けるような行為をしただなんてお話は、あんまりたくさんは聞きたくないんだ。

どうか、心も体も、お大事に。