「Rubyのしくみ」読書会を終えて

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ぼくが今の会社に入ったときには、毎週火曜日のランチタイムに Ruby 関連の洋書を読む読書会がすでにあって。入社直後に誘ってもらって、そのときの課題図書だった Metaprogramming Ruby 2 をみんなでいっしょうけんめい読んだ。たまにぜんぜん意味を取れない英文と対峙してヒィヒィ言ったりしながらも読んだ。

Metaprogramming Ruby 2 を読み終わったのが2015年末〜2016年初頭くらいで、その次に「なにを読もっか?」ってなって Rubyのしくみ Ruby Under a Microscope を選んだ。洋書じゃないけどいいか、ってことで。

2016年6月21日、約5ヶ月かけてこの本を読み終わった。

「メタプロ2」も「Ruby のしくみ」も、ふだん「ただ使っているだけ」になりがちな Ruby の内面を見せてくれておもしろい。小学生時代にスーパーファミコンのコントローラを分解して遊んだときの興奮を思い出させてくれるような気がする。しかも Ruby の場合、簡単な実験スクリプトを書いて内部実装を垣間見ることができたりしておもしろい。もっといえば、もちろん実装そのものをすぐに見ることができるのだ。

別の効能として、イベントでまつもとさんやささださんにお会いしたときに「ありがとうございます」って言いたくなるのもうれしい。ぼくは Ruby がなかったら今頃どこにいて誰とどんなお仕事をしていたかけっこうわからんな〜と思っていて、こうして内部設計を知ることで作者の人たちに心理的に近付けたような気にもなれる。

次は Programming Phoenix を読み始めた。社内には Elixir 大好きっ子の @Joe_noh くんがいるので、わからないところは都度で教えてもらったりしながら読み進めている。今後も楽しそう。

スーパーリセットという取り組みと、物事の必要性について

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スーパーリセット | ペパボ社長ブログ

ケンタロさんのエントリにある通り、社で「スーパーリセット」なる取り組みがあり、2016年7月を迎えたタイミングでいろいろが実施された。毎日の朝会・夕会、それから毎週月曜日の朝礼、週次の定例ミーティング等々がいったん廃止され、社で活用しているコミュニケーションツールも業務上最低限のところまで削ぎ落とされた。社の Slack のチャンネル数は、たぶん7分の1くらいに減った。

「ちょっと整理してみましょう」という呼びかけではなくて「スーパーリセットです!」と掲げられたことの意味を、ぼくは考えていた。

たしかにこれは廃止しちゃってよさそうね、というものは、そのままお見送りして廃止になったけれど、スーパーリセットされた直後に「これは必要なので再開します」と元に戻されたものも、けっこうある。これを見ると、スーパーリセットとは「必要なものと、そうでないものを仕分ける」ことであったのだ、と捉えることができそうだ。だけど、それだけではないだろう。

「必要か?」という問い

ぼくは「必要」という言葉と向き合うときは慎重になるところがある。もしかしたら「必要」という言葉に苦手意識があるかもしれない。「必要か?」という問いはなんだか決定的で、回答は「はい or いいえ」の二択を期待されているように感じてしまう。そしてたぶん、ぼくの人生において必要なこと、つまりそれがないと死んでしまうというものは本当に一握りになってしまうけれど、ぼくの人生において大事なものっていうのは、それよりももっとたくさんあったりするのだ。

だから今回のスーパーリセットという取り組みについて考えるときも、各種の物事について「必要か?」というよりは、「どうして必要だと感じていたか?」と Why を問う形で向き合いたいと願っていた。たとえば、どこかのチームが「リセットされちゃったけれど、朝会はやっぱり必要なので再開します」「そうですね、再開しましょう」となるのはよいとして、「では、なぜチームメンバーたちは朝会を必要と感じるのか」を深堀りして考えることで、より深く自分たちの日々の活動を理解できるようになるだろう。より鮮明に「この成分が大事」というものを捉えることができれば、それを朝会以外の方法で成し得ることもできるのだから。

必要ではないかもしれないけれど、大事なこと

今回、社の Slack から多数のチャンネルが消えていった。その中には、社内の同好者たちが集う「部活」っぽいチャンネルも含まれていた。気の合う社員・話題の合う社員たちが集まって話すチャンネルは業務上、必要であるか? …と問われれば、ぼくは「いいえ」と答えるだろう。だけれども、決してそれらが無駄であったとは思わない。同様に「業務上、有益であったか?」と問われたなら、ぼくは迷わず「はい」と答えられる。

中途入社で合流した身として、最初の1〜2ヶ月ほどは不安も多かったものだ。スタッフは300人ほどいても、業務上直接の接点がある人は、10人前後だっただろう。残りの人たちともなんとか接点を持てないものかと考えたとき、Slack の各種チャンネルは非常に心強いものだった。そこで初めてお話することができた、同い年の人たちや、共通の趣味を持つ人たちとは、のちに業務で接することになったときに、実にスムーズにやりとりできたものだ。加えて、社内のいろんなところに気を許せる人たちがいると、ここには自分の居場所があるという心理的な安全を感じることもできた。

ぼくのようなひとりのスタッフが日々を健康に過ごして健全な気持ちで業務を遂行していくに当たって、必要ではないかもしれないけれど大事なことというのは、たくさんあると思っている。今回のスーパーリセットのような取り組みを通じて、各スタッフが大事なことに気付き、自覚的にそれらを守って育てていけるようになると、うちの会社はもっともっと組織として強くなっていけるんじゃないかなあ。

というわけで、ぼくが「こういうのは大事」と考えているものについては、スーパーリセットで吹き飛んでしまったりもしたけれど、きちんと理由を自覚した上でリビルドしていったりしたいと思っています。がんばるぞ〜。

ちょっとメタな視点から

スーパーリセット、ぼくは非常にポジティブに受け止めた。変化を受け入れられる組織は強いと思う。逆を言えば、変化できなくなった組織は緩やかに死んでいくものだと思っている。うちの会社は、今回の取り組みの他にも、節目節目で大きな変革を勇気をもって邁進していて、その実施内容に対しては賛否があるかもしれないけれど、とにかく変化から逃げないところは大好きだ。

そういや、こういう全社的な取り組みについてなにか感じたとき、公式にフィードバックできる窓口みたいなのがあるといいんかなあ。スタッフみんなそれぞれ思っていることはありそうで、ぼくの耳に入ってきているものもあるのだけれど、意志決定者にうまくフィードバックされていなかったらもったいないな〜と思った次第。

まとめ

社のスーパーリセットという取り組みについて、思っていることなどを書いた。これは別になにかに向かって「やめろ!」と言っているわけではないと思うので、スーパーリセット後のまっさらな大地に新しい種をどんどん植えていきたい気持ち。むしろ、こうしてリセットされるタイミングがあることで、スタッフ各位が気軽にいろいろを試せるようになっていけばいいと思う。そうして、スタッフひとりひとりが自分の過ごす日々について自覚的になり、自身の日々を自身でデザインしながらいきいきと働いていけるとよさそう。

立ち止まって考えるきっかけをくれた今回の取り組みには感謝している。2016年下半期もますますがんばっていきましょう。

33歳になった

急に33歳になったので記録しておく!

今年も無事に加齢シーズンを迎えることができて、日付が変わると同時に奥さんが「おめでとう」と言ってくれた。

親兄弟が集まる LINE グループでは、誰かから「おめでとう」と言われるより先にぼくの気持ちが高まって「33年間ずっと元気にやってこれたから感謝しかない、ありがとう!」って言った。本当にそんな気持ち。

この時期のバースデイだと「32歳はどうだった?」と「2016年上半期はどうだった?」のふりかえりをまとめてやる感じになって便利。というわけでふりかえりメモも貼っておく。

  • 社のスーパーリセット宣言を受けて所属チームの朝会・夕会が6月28日の夕方に廃止されて「あっ、これはお祝いチャンスがなくなったかもな」と思って変にそわそわしていた
    • 実際は29日の就業開始と同時に Slack でいろんな方からお祝いの言葉をいただいてありがたい限りでした
  • この1年は今の会社で過ごす最初の1年になった
    • インターンシップのメンターを担当させてもらったり、若い世代と向き合う機会も多かった
    • 32歳にしてようやく、自分がこれまでにたくさんの先輩たちからもらった恩を次の世代に恩送りしていけそうな手応えを得た
    • とはいえこのペースだと生きている間に送り切れないのでもっと恩送りしていきたい気持ちがある
  • 20代のうちに種をまいていた取り組み、ちょっとずつ芽を出してきたと思う
  • 平鍋さんの仕事人生の年表づくり(自分2.0) | an Agile Wayを見る
    • 「仕事人生は4つの箱 VSOP」
    • 「20代 Vitality」「30代 Speciality」「40代 Originality」「50代 Personality」
    • 40代50代のことは今はわからないけれど、20代30代については「あー、そうだなー」と沁みる
    • もう33歳だし、専門性を高めていかなきゃな、という焦りみたいなものはある
    • なんていうか必殺技を持ちたい、必殺技を見つけたい
    • 得意な型みたいなものは見つかりつつあって、それを磨くといいのかも
    • 今まで我武者羅にやってきたようなことも、体系化して高めていきたい
  • プログラマの定年退職まであと2年になりました
    • 今週、社のランチタイムに新たに2つの読書会がはじまって、新しい学習がスタートした
    • 定年まであと2年ってタイミングで「Hello, world!」しているのとても贅沢だと思った

なんにせよ、体も心もすこぶる元気で、なにか始めようと思ったときに心身が動いてくれるのがありがたい。丈夫に育ててくれた家族に感謝するしかない。33歳もめちゃくちゃ楽しくなると思うので、みなさんいっしょに楽しんでくださいね。よろしくお願いします。

映画「残穢」を観た

自宅で観ました。

ホラー映画、というよりはドキュメンターに近い感じで、恐怖現象の発端に少しずつ少しずつ近付いていく感じがおもしろかったです。「リング」シリーズの貞子さんが「残したい・遺したい」という想いからダビングを強いるように、なんとなくの作者の思い付きの「こういうの怖くない?」という雑な設定ではなく、筋の通った現象に「なるほど」と思ったり。ただ、あまり理屈が通ってしまうとその分だけ冷静に観てしまって恐怖が薄れてしまう面はあったかも。

「過去になにかあった場所」に、なにか悪いもの(それが作中の「穢れ」ってやつですね)が残ってしまうのだとして、それはどれくらいの期間残るのだろう?ってあたりを奥さんと話していておもしろかった。恒久的に残るようだと、もう世界中のありとあらゆる地域が呪われた土地になっちゃいそうだよね、って。

ためしに「幽霊 寿命」でウェブ検索してみると「400〜500年」っていう言説がたくさん出てくる。なるほどな…?たしかに「武者の霊」は、よく見かける(いや、ぼくは霊を見たことはないんだけど、VTR とかでね)のに対し「縄文人の霊」と言われてビジュアルが浮かばない。あとまた別の話で、幽霊はみんな痩せているっていう言説もあって、太っている幽霊ってなんだろう、健康的に見えちゃうのかな…?

というわけで、幽霊になるにも太り過ぎていたら不合格とか、あまりにも昔の人はダメとか、審査が厳しい(?)のかもしれない。

Perfume 6th Tour 2016「COSMIC EXPLORER」に行ってきた

6月18日(土)の幕張メッセの回に行ってきました。たぶん、海浜幕張駅に降り立つのは14年ぶりで、学生時代にインターンシップでお世話になっていた企業さんの宿泊先が、この駅の近くだったはず。うろ覚えだけど、たしかそうだった。

幕張メッセに行ってみたら、同じく Perfume のライブに参加予定の @mituoh くんと @asuforce くんも会場にいておもしろかった。

ここ1ヶ月間くらい、コンディション作りのために「COSMIC EXPLORER」を毎日のように聴き続けていた。Last.fm にもその様子が記録されている。おかげで、全曲を体で覚えたぞ〜!

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「COSMIC EXPLORER」の曲を中心に、歴代のヒット曲もちょいちょい挟まれていてとても楽しかった。映像効果も盛り盛りで、最初から最後まで楽しんで参加できた。ありがとうございました!

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