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シュレディンガーの外国人

先日、大量の人間が存在している駅の構内を歩いていた。ちょっと調べ物をしたくて、アイフォーンを熱心ににらみつけながら歩いていたところ、視界の端の方に、困った表情の顔面を捉えた。

そのまま通り過ぎそうになったのだけれど、後味が悪くなりそうだと感じて、引き返すことにした。振り返るとそこには、大変に困っている様子の外国人がいた。道ゆく日本人に「Excu...」と話しかけようとしては、無視されている。

道に迷っているか、切符の買い方がわからなくて困っているか、そんな気配を感じて、近寄って話しかけてみた。今にして思えば、そういう困り方なら駅員さんのところに行ったよね、きっと。

結論から言うと、その人は、フィリピンのための募金を集めている人だった。あと、日本語もけっこう話せる人だった。募金だとわかっていたら、話しかけなかっただろうなあ。

なるほど、募金箱みたいなわかりやすいアイテムを持っていない、困った顔の外国人は、話しかけてみるまで要件がわからない。