人の「満足」をどのように計るか

そこで、空港は到着ゲートをメインターミナルから離し、手荷物を最外部のコンベアに載せた。これにより、乗客は手荷物引渡所まで6分も歩くことになったが、苦情の数はほぼ0まで激減したのである。

UIの改悪がUXを改善させる場合 - A Successful Failure

このエントリを読んで、色々と思うところがあった。

感想は「人の感じ方って、おもしろいなあ」の一言に尽きた。「参考になった」とはあんまり言えない感じ。上手に応用して自分の身近なところで活用できる感じがしないからだ。

空港のエピソードに関して言えば、「UX を改善した」よりは「クレームを減らした」って言うのが誠実だと思う。ブックマークコメントにもあった「足が悪い人にとっては大変そう」って、本当にその通りだなぁと思うし、クレームを言うような層の人を満足させる一方で、積極的にクレームを言わない層の人たちが困っていたら、それは悲しいことだとも思う。

ひとつの指標として「クレームの数」は意味があると思うけれど、それだけで「満足度」とするのは危険ではなかろうか。少なくとも件のエントリは、そこらを省いて論じているように見えたので、なんだか心配になった。

最後に余談。もし本当に議論したいことがあるのなら、なるべく平易な言葉を使うのがよいと思った。人によって感じ方の異なるフワッとした言葉を使うと、相手がどういう意味でその言葉を使っているのかを探って確かめてしながらやりとりしなくちゃあいけなくなるので、議論の本質に集中できなくなる。