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映画「ソロモンの偽証」

ためしに前篇をレンタルしてきて観てみたところ、奥さんと「後篇を観ないわけにはいかない」と見解が一致したので、結末まで観た。

ソロモンの偽証 前篇・事件 [DVD]

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ソロモンの偽証 後篇・裁判 [DVD]

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近所のレンタルビデオショップ、ぼくらが借りに行ったときには後篇のケースはすべて空っぽだったのだけれど、新作のこの作品なら借りて返すサイクルも早いだろうと考え、店員さんに「返ってきているやつ、ありませんかねぇ?(返却されたままレジ裏に置いてあって、まだケースに戻っていないやつはありませんかねぇ?という意味)」と確認をお願いしてみたところ、姉さんビンゴです、無事に借りることができた。実はぼく、元レンタルビデオショップのアルバイト店員ですからね、もう10年以上も発揮されることのなかったレンタルビデオショップ力の高まりによってファインプレーを繰り出したのであった。

前篇の途中からぐいぐい惹きつけられてしまって、リビングのソファから身を乗り出して、食い付くように観てしまった。加速する展開に目が離せなくなる。

ソロモンの偽証 - Wikipediaを見てみると、なるほど、原作と比べて、映画版には少々のアレンジが入っているらしい。これだけのシナリオを描けてしまう宮部みゆきさんに感服してしまった。ふだん、小説はぜんぜん読まないもので、名前くらいしか存じなかった宮部みゆきさん、もう忘れない名前になったと思う。作中のタイトル画面にも「ソロモンの偽証」に添えて「宮部みゆき」の文字列がバーンと表示されていて、珍しいな、と思ったりもした。映画製作チームの、原作者への敬意なんだろうか。

舞台は中学校。主人公は中学生たち。なんだけれど、中学生がなにかをしようとすると、親だったり先生だったり、大人たちが介入してきて、そこから各家庭の事情なんかも流入してきて、物語が厚みを帯びていく。実際に起きたことは、たったひとつの真実だったとしても。そこに、いろんな人たちのいろんな思惑が重なって、目に写る景色はずいぶんと複雑だ。そこにリアリティを感じた。学校という「社会の縮図」を通して、いま自分が大人として生きていることになっている社会のことを、ずいぶんと考えさせられる作品だった。

ソロモンの偽証、たいへんおもしろかった。遅ればせながら、この作品を知ることができてよかった。