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局所最適とおかしな形

とある会社のお話として、

「うちでは、◯◯の申請書のフォーマットがあって、それを印刷して記入して紙で提出することになっているんですが、それ、受理する側は受け取ったあとでスキャンしてデジタル化しているんですよ」

といった旨を聞いたことがある。これ、ぼくは笑い話だと思って聞いて、やっぱり笑っていた。

ところで、CDレンタルショップで音楽CDを借りてきた場合、ぼくはこれをデジタル化して視聴するわけなんだけれども、おやおや、どうしてぼくはCDという物理媒体を借りてくるのだろう。最初からデジタルデータでやりとりできるとしたら、ぼくのデジタル化の手間が省けるし、ショップ側も「これは人気だから、CDを20枚ストックしておく」といった判断も在庫コストも削減できるのではないか。冒頭の笑い話、ぼくは笑ってしまったけれど、自分もその輪の一部になってしまっていて、笑い事じゃなさそうだった。

こういった、歴史的経緯や、なんらかの制約によって、設計がよくわからない方向に進んでいって、局所的最適に向かうの、世の中ではよくある。それに気付くのはけっこう大事だと思っていて、制約に縛られないプレイヤーが後出しジャンケンでより理想形に近い自然なシステムを出してきたら、あっという間に利用者がそっちに流れることもあるだろう。

http://rebuild.fm/84/ でも言われていた通り、テレビ番組を録画しておくとどの端末からでもネットワーク越しに視聴できる、みたいなやつも、局所的最適っぽいよね。オンデマンド視聴でいい気がする。

種々のパスワード管理アプリも、その匂いを感じる。現状の妥当解だとは思うのだけれど、必要悪、という感じがしてしまって喜べない気持ちもある。

大局的便利と局所的便利を見分けられるような、広い視点を持っていたい。